IT事務とは?IT事務の仕事内容や求められる必要スキル

IT事務とは?仕事内容や IT事務に必要なスキル

「求人情報で『IT事務』『ITサポート事務』という募集職種を見たけれどIT未経験の私でもいけるかな?」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。

IT事務は一般事務のようなメールや書類作成作業も行いますがITに特化した業務が多くなります。

具体的には、Excelを利用したデータ入力・集計作業から、パソコン設定や社内ITマニュアル作成、問い合わせ対応など、ITに関わる事務作業を行う仕事です。一般事務も年収が高めに設定されていることが多いです。

この記事では、IT事務の仕事内容やIT事務に必要なスキルを説明しています。

IT事務の主なお仕事

※会社によっては事務職とIT事務が兼任・仕事内容が同じ場合もあり業務内容も変わる場合があります。今回は最も一般的なパターンで紹介しています。

目次

IT事務とは。一般事務との違い

メールや書類作成といった一般事務の仕事に加えて、IT関連の事務作業を行う仕事です。IT関連の事務作業の例には、以下のようなものがあります。

  • Excel・Accessなどを利用したデータ入力・集計作業
  • PowerPoint・Wordなどを利用した操作マニュアル作成
  • パソコン・スマホなど機器の設定
  • 社内ITシステムの問い合わせ対応 など

IT事務の仕事内容の例

ここでは、IT事務の仕事内容の例を紹介します。会社によって作業範囲は異なるため、例として参考にしてみてください。

Excel・Accessなどを利用したデータ入力・集計作業

最も多いのは、Microsoft Excelを利用したデータ入力・集計作業です。

データ入力内容は会社によって多岐に渡りますが、製品の在庫・出荷情報や顧客台帳などが代表的です。

特にExcelの関数を利用して表データを作成したり、マクロ(VBA)を使って集計計算ができるスキルがあると歓迎されます。

Microsoft ExcelのほかにMicroft Accessを利用する場合もあるので、ExcelをベースにAccessも多少知識があると、なお良いでしょう。

PowerPoint・Wordなどを利用した提案資料・操作マニュアル作成

IT事務は、IT関連の提案資料やマニュアル作成を行うところが多くあります。

具体的には、 PC設定方法をはじめ、メールソフト設定や各種アプリ・ソフトウェアの導入マニュアルなどです。

例えば新しいIT機器やシステムを会社に導入した場合など、社内のメンバーがすぐ使えるよう、導入マニュアルを準備しておく必要があります。

また、営業サポート的な位置付けで、営業の提案資料を作る場合もあります。

マニュアル作成に使うソフトは、Microsoft PowerPointやWord、Excelなどが一般的です。

パソコン・スマホなど機器の設定

IT事務の仕事では、パソコンをはじめ、スマホや複合機などの機器管理や設定作業を行います。

企業の場合パソコン初期状態ではそのまま利用できないため、社内のネットワーク設定やセキュリティ設定、アプリケーションインストールなどを行ったりする必要があります。

基本的にはすでに設定作業用のマニュアルが用意されていることが多いので、その内容に沿ってセッティングをしていく形になります。

社内ITシステムの問い合わせ対応

IT事務職に就くと、IT関連の問い合わせを受けることが多くあります。

システムやIT機器を導入した社内メンバーから「うまくいかない」「使い方がわからない」といった問い合わせを受けるケースです。

社内メンバーからの問い合わせ対応のほか、システム内部の深い部分に関することについては社内開発部門などにエスカレーション・橋渡しをする場合もあります。

IT事務に転職するメリットとデメリット

ここでは、IT事務に転職する場合のメリットとデメリットを紹介します。

IT事務に転職するメリット

IT事務に転職するメリットには、以下のようなものがあります。

一般事務より年収が高め

会社によって異なりますが、IT事務は一般事務よりも年収が高めであることが多いです。求人ボックスによると一般事務の正社員の平均年収が339万円であるのに対し、IT事務は380万円です(2023年11月時点)。

IT事務は一般事務よりはやや専門的な知識が求められるため、年収が高めだと考えられます。事務職希望で高い年収を希望する方は、IT事務を選択肢に入れるのもよいでしょう。

未経験でも始めやすい

IT事務の募集は、未経験者でも採用しているところが多くあります。仕事をするにあたってITの勉強は必要ですが、社内教育が整っているところもあるため「スキルがなくて、自分にできる仕事がない」と悩んでいる方にもおすすめです。

IT業界は慢性的に人手不足であるために、仕事の募集が多いというのもメリットのひとつでしょう。「一般事務の募集が少ない」と感じる方は、IT事務の仕事も検討してみてください。

キャリアアップにつながりやすい

IT業界にはさまざまな種類の仕事があるため、勉強次第ではIT事務からより専門的な仕事へのキャリアアップにつなげることも可能です。

例えばIT事務の仕事を通してITの基礎的な知識を身に付け、システムエンジニアやネットワークエンジニア、社内SEやITカスタマーサポートなどに転職するという考えもできるでしょう。

IT業務未経験の方がエンジニアの中途採用に受かるのは難しいケースが多いですが、IT事務の仕事をやってきた経験があれば、その経験をアピールできるかもしれません。

企業側としても、社員に対してIT事務から専門的な仕事へのキャリアアップを望んでいるケースがあります。エンジニアの仕事はIT事務よりも専門性が高くなるため勉強が必要ですが、年収アップも期待できます。

IT事務に転職するデメリット

ここでは、IT事務に転職するデメリットを3つ説明します。

未経験可とはいえスキル必須で勉強し続ける必要がある

IT事務は未経験可能で募集しているところも多いですが、実際に募集要項の詳細を読むとほとんどがMicrosoft ExcelやPowerPointのオフィス系ソフトの知識が必須であったり、マクロ(VBA)が組める人歓迎など、やはりIT知識を前提として募集しています。

「社内で丁寧に指導します」と記載されているとは言え、基本的に自分でも資格を取得したりなどスキルアップする姿勢が求められます。

業務量もそれなりに多い場合もあるので、スキルアップに受け身の姿勢だと、仕事に付いていけなくなるかもしれません。

逆に言えば、勉強して新しいIT知識を吸収していけば現場で重宝されやすくなります。IT事務からさらにITエンジニアなどに転職・キャリアチェンジできる可能性もあります。

現場からのクレーム対応がある場合も

会社によっては、クレーム対応の仕事が含まれる場合があります。

たとえば、会社の上層部で「〇〇システムを導入する」と決定されたで、いざ現場に導入してたものの、現場の利用者から、「システムが使えなくて困っている」「使い方がわかりづらくて不便だ」といった問い合わせを受けることもあるかもしれません。

クレームのような問い合わせが発生したときもスムーズに対応できるよう、ITの知識やノウハウに加えて、コミュニケーションスキルも重要です。

単調な仕事に感じる場合も

IT事務は、単調な仕事になりがちです。データ入力・集計作業などで、ひたすら同じことを繰り返す(作業量は多い)といったケースもあるでしょう。

システム導入を決定する・設計する、といったことまでは関われないケースが多く、基本的には「決まった内容通りに仕事を進める」「マニュアルを作る」といった形なので、単純作業が苦手な方にはつらいかもしれません。

一方で、淡々とした作業が得意な方には合っている仕事といえるでしょう。

IT事務に求められる必要スキル

IT事務の仕事は、一般事務よりもやや専門的なスキルを求められます。ここでは、IT事務に求められるスキルを紹介します。

Microsoft Office系ソフトの操作スキル

IT事務では、Microsoft Officeのスキルを求められます。Microsoft WordやExcelは必須といえるでしょう。

PowerPointやAccessを使う機会もあるかもしれません。MOS(Microsoft Office Specialist)の資格を持っていると、スキルを客観的に評価できます。

ただ単に操作方法を知っているだけでなく、Excelで関数やVBA(マクロ)を使ったコードが書けると、重宝してくれる企業も多いです。

Office系の知識を自学習で覚えるなら、MOSの資格取得もおすすめです。MOSについては「【MOS試験は転職に役立つ?】難易度や取得メリット・デメリット」をご参照ください。

ITパスポート

ITパスポートは、ITに関する基礎知識を確認するための資格です。情報処理推進機構が実施する国家試験の中で最も基本的な資格であるため、IT知識を学ぶ方の第一歩として適しています。

IT技術の資格をさらに取得したい方は、基本情報技術者試験などより高度な資格を目指すのもおすすめです。

ITパスポートについて「【ITパスポート試験】特徴や難易度は?取得するメリット・デメリット」をご参照ください。

日商PC

日商PCは、企業実務に必要とされるITやネットワークの知識を確認するための資格です。

1級〜3級・ベーシックの4段階がありますが、IT事務に活かすのであれば2級を目指すとよいでしょう。企業実務で必要なハードウェアやソフトウェア、ネットワークの知識を身につけていることの証明にもなります。

まとめ

まとめです。今回はIT事務の仕事内容や求められるスキルについて説明しました。

IT事務とは、ExcelなどのOffice系ソフトを利用したデータ集計作業や資料作成をはじめ、パソコンやスマホの設定やIT関連のマニュアル作成などITに関わる事務作業を行う仕事です。

一般事務よりもITの専門性を求められ、年収が高い傾向があります。

IT事務は未経験でも始めやすく、ITスキルを身に付ければエンジニアなどのキャリアアップにもつながります。IT業務に関心がある方は就職を検討してみるとよいでしょう。

なお、IT業界・WEB業界への転職を考えている方向けに、以下の記事ではIT系におすすめの転職エージェントをいくつか紹介しています。興味がある方はこちらも併せてご覧ください。

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